ご存じの方も多いかもしれませんが昆虫と農業は非常に深い関係があり、面白いです。最近では昆虫農業プロジェクトというものを行う企業様もいます。今回はそんな農業と昆虫の関係について書いていきます。
1-1.農業害虫
まず初めに多くの人が農業と昆虫の関係性で想像するであろう害虫についてです。農業において、害虫の防除は重要な課題であり、古くより農業にとっての重要な問題でありました。例としては、アブラムシ・コガネムシ・ハムシ類などがありますがここでは挙げきれないほど多くの害虫が存在しています。
↑ハムシです。よく見たことがあるのではないでしょうか
現在は農薬や殺虫剤などの発展により過去に比べ被害は減少しております。最近では農薬などの散布をドローンなどの機械を使用して散布する農家さんも増えてきております。しかしこれは農薬を使用したときの話であり、現在の日本では有機野菜を求める方も増えてきており、害虫との関係は再び問題となっています。無農薬栽培は技術的にかなり難しく収量も少なくなりがちですが昆虫の生態系や生物多様性を考えるとよいのかなと私は思います。(有機農業については大学の先生や農家さんとたびたび議論をさせてもらうのですがなかなか難しい問題ですね笑)
話が脱線しましたが、農業における害虫は日本に限った話ではありません。特に最近はニュースなどでたびたび取り上げられる海外のバッタ問題があります。2019年に発生した「サバクトビバッタ」というバッタが現在中国へと進んでおり、日本にも来るのではないかと危惧されています。最も被害が深刻なのはケニアで1000億~2000億匹(想像できないですね。。。)のバッタが約2400平方キロメートルの範囲で農作物を襲っています。これらがすべて食べられてしまった被害は8400万人分の食料が失われるといわれています。流石にここまでくると怖いですね
↑全部バッタです。。。信じられないです。
バッタは孤独相と群生相という異なった姿と行動の個体に環境や状況によって変化します。今回のバッタは群生相という個体に変化しており、孤独相に比べ羽根が長くなり飛行距離が伸びます。(一日に100km以上飛ぶそうです)。このバッタ対策として中国ではアヒルを投与した事例もあるのですが解決には至らなかったそうです。このバッタの厄介なところは昆虫食として食べることが出来ないことです。様々な薬品を体内に生物濃縮としてため込んでいるバッタは食べることが出来ないのです。今後この問題の進展にも注目ですね。
↑バッタの相変異です
1-2.農業における生物的防除
実は最近農林水産省のHPを見ていて知ったのですが生物的防除という言葉があります。これは先ほどの農薬を使用するのとは違い生物やフェロモンを使用して害虫を駆除する方法です。例えば昆虫寄生性線虫を使用し、土壌等に潜む鱗翅目および鞘翅目害虫を防除するなどがあるそうです。野菜、果樹および芝などで使用されているそうです。また性フェロモン剤を使い、雄を大量に捕獲し雌の交尾機会を減少させる大量誘殺法と、雌雄間の性フェロモンによる交信を妨げ、交尾機会を減少させる交信撹乱法などもあります。
私は初めて見たときこんなやり方があるのか!と驚きました笑ぜひ興味のある方は一度見てみてください!
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/
1-3.昆虫農業
こちらはTAKEO様が行っているむし畑というものの紹介です。自分たちで土を耕し、草を育て、その草を使いおいしい食用昆虫を育てるというものだそうです。将来的に家畜として使用される可能性がある昆虫の飼育方法の先駆的なプロジェクトですね!農業×昆虫から様々な旬の昆虫を楽しんでいただけるように生産しているそうです!ぜひ詳しくはHPにてご確認ください。すごく面白い取り組みです。
1-4.まとめ
今回は農業と昆虫の関係について書きました。まだまだここでは語りつくせないほど農業と昆虫の関係は非常に深いです。特に海外のバッタの話は歴史の転機点にあると思うのでもっと詳しく話したいとも思っています。私も農業問題を昆虫食活動を通じて解決したいと思っていますので今後もいろいろな情報があれば共有をしていこうと思います!ここまで読んでいただきありがとうございました。